なぜ、起業するのか(僕の欲望)
なぜ、起業するのかという動機やモチベーションについて
最近よく考えること。
「なぜ、起業するのか」
案外、誰も聞いてくれない話題だなと思います。
IT業界で働いている僕が「ハンバーガー屋を始めます」というと返ってくるのは…
「どんなことやりたいの?」
「なんで飲食業?」
「どこでやるの?」
という質問が多いです。
まあ、既に独立してフリーランスで働いているわけで「どうして起業するの?」という質問はおかしな話なのかもしれないですけど、世間一般的にも起業する人に対して意外と聞かない質問なのかなと。僕も周りの経営者にあまり聞いたことがないように思います。
「なぜ」ではなくて「なにで」に関心が行くのは自然だとも思いますが、事業を始める側には「なにで」はもちろんですが、その根幹にある「なぜ」もとても大切だなと。
そして、それが厳しい環境で自分を奮い立たせて、支えになるのかなと。
「なぜ」が不明確だとモチベーションが上がらないということを日々実感しています。
今の環境に満足しているし、お金も十分に稼いでプライベートも楽しく過ごせている。
起業することによって成し遂げられる「やりたいこと」はたくさんあるし、不安は持ちながらも、やれる自信もあります。
でも、「なぜ」と考えると…なんだか曖昧になってしまっていないかなと。
キッカケについては以前にブログで書きました。
hamburger-ojisan.hatenablog.com
今回はキッカケではなくて、今の「なぜ」について。
シンプルに「やりたいこと」=「なぜ」でいいのかなと思いますが、もうちょっと深いところというか「欲望」の部分を見つめ直したいと思います。
みなさんの「なぜ」を調べてみた
とういうことで、起業家の皆さんどんな「なぜ」で動き出しているのかググってみたら下記のような動機が一般的(?)なのかなと。
・自由に働きたい!
・大金を稼ぎたい!
・サラリーマン生活に疲れた!
・夢だったから!
あくまでサイトで調べただけで実際は人それぞれ、簡単に一言では言い切れない色々な理由があると思います。
で、自分に当てはめてみると…
自由に働きたい!→今も結構自由。ハンバーガー屋を始めてからのほうが労働時間や緊張感は増えるわけで、自由は減る気がします。
大金を稼ぎたい!→あまりこういう欲はなくて今の収入で十分すぎると感じています。ハンバーガー屋を始めれば今よりガクッと年収は下がると思います。半分減るくらいなら生活に余裕があるのでいいけど三分の一、四分の一以下が濃厚で借金もするわけです…。そもそも大金が欲しいなら飲食よりもITのほうが可能性はあるだろうと思います。
サラリーマン生活に疲れた!→これはあるかもですが、店舗経営となると一人で完結できるわけではないので余計に気を遣うのかなと。
・夢だったから!→これは一つのきっかけです。でも今は夢だったからという感じではないなーと。もう、そんなキラキラした勢いは残念ながら通り越してしまったように感じます。
僕は何故ハンバーガー屋を始めたいのだろうかという欲望について
最近は「社会起業家」という言葉が広まっているように、上記の理由以外に社会問題に対するアプローチとしての起業も増えてきています。
社会変革(英: Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。 社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。
僕がやりたいことも近いように感じます。
子供連れでも気軽に食事を楽しめる飲食店がもっとあるべきだと思うし、一人一人が食事に対しての意識や、支払うコストの意味、自らが選択していることを自覚する社会であってほしいと思っています。
また、今の飲食業界に対して「もっとおもしろいことできるじゃん」というムズムズした気持ちや、「もっとIT活かせるのに」という勿体なさなどの問題意識と、それに対する自分なりの提案も実行していきたいですし、将来的には日本を代表する飲食店として自分が生活していた国を中心に海外でも精力的にビジネスを展開したいと思っています。
事業計画書ではそういった思いや戦略も落とし込んでいるつもりです。
ただ、何はともあれ事業が存続するためには利益を上げ続けることは大前提ですから、「理想」ではあるけど、厳しい現実の中で今の幸せな生活を危険にさらすような「なぜ」にまで昇華できていないことが僕の問題のように感じます。
こういった「理想」や「やりたいこと」も今後書いていきたいと思いますが、今回はもっと根底の部分に目を向けたいと思ってしまう。
欲望のようなものがあるはずなんだよなと。
そうなると、刺激というか「うおおおお!!」と成長する感覚というか、前進している感や緊張感、そういうものを求めている自分がいることに気づきます。
日常が物足りないと言えるほど仕事に余裕があるわけではなくて、今の仕事でもスキル的にも経験的にも、まだまだで勉強の毎日で厳しいことも多い。お仕事を貰えているだけでとても感謝しています。
ただ、どこかでITの仕事の中でも「ハンバーガー屋」を意識しているんですよね。
これはずっとそうでした。サラリーマン時代も、独立してからのこの半年も。
ハンバーガー屋を意識し始めた頃からITを活かしたお店の経営をしたいと考えていたので、それはある意味で当然でのように感じます。
ただ…
もう、100%集中したいなと。
どこかで他のことを意識しながらの成長ではなくて、ガッツリ疲弊しながら、「あ、でも俺今凄い伸びてる!!!」って笑っちゃうような感覚に浸りたい。
家を飛び出して社会人をやりながら大学に通い始めた大学生の頃、全く英語を話せない中カナダでの生活を始めた頃、倒産寸前の会社で毎日慌ただしく働いていた頃…
精神的にも肉体的にも厳しかったけど、壁を超える度に見えてくる世界が広がっていって、とても充実していました。
いや、充実という言葉ではしっくりこないんですけど、何て言うんだろう。
たまんねえなあ!!!!って感覚。笑
それがずっと続いていたら身体を壊してしまったり精神的に余裕がなくなってしまい周りに迷惑をかけてしまうので要注意なんですけど、新たなビジネスを軌道に乗せるのはどうしたってそういう時期はあるよねと思うわけです。
で、僕はそれを自分のハンバーガー屋の成長とともに感じたい。
誰かの会社ではなくて、自分の会社でその疲弊と成長を共にしたい。
うん、やりたいことや会社の理念とかとは別の、もっと欲望的なところを探ってみるとそういうことなんだろうなと。
企業として、一人の社会人として求めるものはあるけれど、そういうものをいったんどかして「なぜ」を考えてみると、けっこう少年ぽい欲望があるみたいです。
ただ、それが冒頭で書いた「厳しい環境で自分を奮い立たせて、支えになる」というものになるのかというと疑問が残ります。
「やりたいこと」や「理想の社会」なのか、将又全く別のものなのか分からないですけど、人生をかけるに値する動機のようなものを開店までに見出せたらと思います。
まあ、人生をかけるに…なんて肩に力を入れてないほうが上手くいくことも多いですから、追い詰めすぎは逆効果かもしれませんが…。